■それは本当に「めまい」か🌀
・めまい:「グルグル回転している感じ」、あるいは「浮遊している感じ」。意識は完全に清明だが、空間認識に異常を来している。
・一過性意識消失:「クラッとした」「気が遠くなった」と訴える場合が多く、一瞬、電源が落ちて元にもどる。
・意識障害:目を開ける、呼びかけに応じるなど外界に対する反応が低下し、自分自身や周囲の状況を正しく認識・理解することが困難な状況。
■めまいの原疾患とそれらの頻度に関するデータ💻
・原因は大きくは、内耳性(良性発作性頭位めまい症やメニエール病)と中枢性(脳血管障害)に分けられ、このうち中枢性の脳血管障害は生命予後に関わり後遺症にも関連する点で重要。
・外来を受診しためまい患者の「54%が内耳性、16%が精神的/心因性、10%が中枢性、8%が原因不明、その他、多数の要因によるもの等がある」という報告がある。
■症状のポイント💡
持続時間の評価(Timing): 数秒間か、数分か、数時間か、数日か。ずっと続いているめまいは特に注意が必要と言われる。
誘発要因の評価(Triggers): 頭の位置を変えた時だけ一時的に起きるのか、特別な理由なく持続しているのか。
緊急性の高い伴随症状: めまいと同時に「手足のしびれ・脱力」「喋りづらい」「物が二重に見える」「激しい頭痛」「まっすぐ歩けない」などの神経症状がある場合は、直ちに救急要請・緊急受診が必要であることを強調します。
■受診する前に考えるべきこと
医師に伝えるメモの作成:「いつ始まり、どのくらい続くか」「きっかけはあるか」「伴う症状はあるか」を伝えることで、適切な検査・診断につながります。
受診の目安と診療科の選択:緊急サインがない場合でも、症状が良くならない場合や繰り返す場合は耳鼻咽喉科、脳神経外科/内科、救急外来等を標榜する医療機関への受診が推奨されます。
■文献
・Newman-Toker DE, et al. Neurol Clin. 2015 Aug;33(3):577-99, viii.
・Kroenke K, et al. Ann Intern Med. 1992 Dec 1;117(11):898-904.
・Welgampola MS, et al. Neurol Clin. 2015 Aug;33(3):551-64, vii.
解説
「めまい」は立派な医学用語であり、「意識障害」や「一過性意識消失」と混同されがちです。
これらの症状を聞いて医師が思い浮かべる疾患はそれぞれ全く異なると言っていいでしょう。
まず定義はこんな感じです。
💡定義
・めまい:「空間における自己の位置感覚や運動感覚の異常、あるいは頭重感や立ちくらみ感など、非特異的な頭部の不快感や動揺感を総称した症状」
・意識障害:「覚醒(Wakefulness / Arousal)および認知(Awareness / Cognition)のいずれか、あるいは両方が低下・消失した状態」
・一過性意識消失:「短時間で急速に発症し、持続時間が短く(通常数秒〜数分以内)、介入なしで全回復(完全かつ迅速な回復)を認める自発的な意識障害の状態」
…難解な言葉が並びました。よく分かりませんよね。
簡単に言えば、めまいは「グルグル回転している感じ」、あるいは「浮遊している感じ」と表現されます。
意識障害は、目を開ける、呼びかけに応じるなど外界に対する反応が低下し、自分自身や周囲の状況を正しく認識・理解することが困難な状況です。
一過性意識消失は、「クラッとした」「気が遠くなった」と訴える場合が多く、一度、電源が落ちて、元にもどる状態、この「元にもどる」ことが重要なポイントです。
ここを区別することは最終的に正しい診断にたどり着くために非常に重要なプロセスと言えます。
■ めまいの原疾患と頻度
めまいの原因は、大きく分けると「耳(内耳)」に起因するものと、「脳(中枢)」に起因するものがあります。
外来を受診されためまい患者さんを対象とした調査研究データによると、その原因の割合は以下のようになっています。
・内耳性(耳の原因):約54% (良性発作性頭位めまい症やメニエール病など)
・精神的・心因性(ストレスや不安など):約16%
・中枢性(脳の原因):約10% (脳梗塞や脳出血などの脳血管障害)
・原因不明:約8%
・その他(薬の副作用や体調によるもの等)
一番多いのは「耳」が原因のめまいですが、全体の約10%を占める「脳」が原因のめまい(中枢性)は、生命に関わったり後遺症が残ったりする危険性があるため、特に注意が必要です。
■ めまいの症状でチェックすべき「危険なサイン」とポイント🔥
ご自身のめまいの状態を正しく把握するために、以下のポイントを確認してみてください。
1.持続時間の評価(いつから、どのくらい続くか)
数秒で治まるのか、数分〜数時間続くのか、あるいは数日間継続しているのかを確認します。特に「休みなくずっと続いているめまい」は注意が必要と言われています。
2.誘発要因の評価(どんなときに起きるか)
「寝返りを打ったとき」「上を向いたとき」など頭の位置を変えたときだけ一時的に起きるのか、それとも特別な理由なく突然始まり持続しているのかを観察します。
3.【緊急】すぐに救急車を呼ぶべき・受診すべき伴随症状
めまいと同時に以下の症状がひとつでも現れた場合は、脳などの重大な疾患が疑われます。ためらわずに直ちに救急要請(119番)または緊急受診を行ってください。
・手足のしびれ、力が入らない(脱力)
・ろれつが回らない、喋りづらい
・物が二重に見える、視野が欠ける
・今までに経験したことがない激しい頭痛
・まっすぐ歩けない、ふらついて倒れてしまう
■ 受診する前に考えるべきことと適切な診療科
受診時に医師へスムーズに状況を伝えられるよう、以下のポイントを事前に整理しておくことが推奨されます。
💡医師に伝えるべきこと
・発生時期・持続時間:「いつ始まり、どのくらい続いているか」
・きっかけ:「体を動かしたときか、じっとしているときか」
・伴う症状:「吐き気、耳鳴り、聞こえにくさなどがあるか」
※メモを残しておくことで、医師が適切な検査や診断をスムーズに行う助けとなります。
🚨診療科の選択
命に関わる緊急のサインがない場合でも、症状が良くならない場合や繰り返し起こる場合は、自己判断で放置せず医療機関を受診しましょう。
・耳鳴りや難聴、頭を動かしたときのめまい:耳鼻咽喉科
・激しい頭痛や手足の違和感、歩きにくさがある場合:脳神経外科・脳神経内科
・判断に迷う場合や夜間・休日:救急外来や地域の医療相談窓口
■ まとめ
めまいは日常的によく見られる症状ですが、その背景には耳のトラブルから脳の病気まで、さまざまな要因が潜んでいます。
まずは「一時的なものか」「頭痛や喋りにくさなどの危険なサインはないか」を落ち着いて確認しましょう。
少しでも気になる症状がある場合や、不安が強い場合は、無理をせず早めに専門の医療機関を受診することが、健やかな生活を守る第一歩となります。
注意点・免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断や治療に代わるものではありません。個別具体的な症状や健康状態については、必ず医療機関や医師にご相談ください。


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