「なぜそう言えるのか」を必ず示します
健康情報は、書いてある内容そのものよりも、それが何を根拠にしているかの方が大切だと考えています。当サイトが記事を作るときに守っているルールを、すべて公開します。
1. 引用する論文は、誰でも無料で全文を読めるものだけ
当サイトが引用する医学論文は、PubMed(アメリカ国立医学図書館の医学論文データベース)で全文が無料公開されているものに限定しています。
医学論文の多くは有料で、購読していないと要約しか読めません。そうした論文を引用すると、読者の方は「本当にそう書いてあるのか」を確かめられません。それでは根拠を示したことになりません。
そのため、内容として適切な論文であっても、有料でしか読めないものは引用しないという方針をとっています。無料で読める同等の研究を探し直します。
※ 日本の学会が発行する診療ガイドラインや、厚生労働省などの公的資料は、PubMedに収載されていませんが引用します。この場合も、公開されていて誰でも閲覧できるものを使います。
2. すべての医学的な記述に出典を付けます
出典を示せない主張は書きません。記事の末尾には、必ず出典リストのセクションを設けています。
出典は次の形式で記載し、PMID(論文ごとに割り振られた識別番号)を添えています。この番号でPubMedを検索すれば、どなたでも原文にたどり着けます。
Foy AJ, et al. Med Clin North Am. 2015 Jul;99(4):835-47. PMID: 26042885.
確認が取れなかった論文は、番号を推測で書くことはせず「未確認」と明記します。
3. 根拠の強さには順番があります
同じ「研究でわかった」でも、その確からしさには大きな差があります。当サイトでは、次の順で根拠の強いものを優先しています。
強い ←─────────────────→ 弱い
- システマティックレビュー・メタ解析 — 世界中の研究を集めてまとめたもの
- ランダム化比較試験(RCT) — くじ引きで2グループに分けて比較したもの
- 前向きコホート研究 — 大勢を長期間追いかけたもの
- 症例対照研究・横断研究 — ある時点での比較
- 症例報告 — 個別の患者さんの記録
- 動物実験・試験管内の実験 — 人間で同じことが起きるとは限りません
- 専門家の意見
日本国内向けの内容については、該当する診療ガイドラインを優先して確認しています。
4. 「関連がある」と「原因である」を区別します
これは健康情報でもっとも誤解されやすい点です。
たとえば「よく眠る人は健康だった」という研究結果があったとして、それは「睡眠が健康を作った」ことの証明にはなりません。もともと健康だからよく眠れているのかもしれませんし、両方に影響する別の要因があるのかもしれません。
大勢を観察するタイプの研究(観察研究)でわかるのは、あくまで「関連がみられた」ということです。当サイトでは、この区別を曖昧にした書き方はしません。
また、論文が述べていることと、そこからの解釈・推測も分けて書きます。推測を書くときは「〜と考えられます」「直接確かめられてはいません」といった形で、推測であることがわかるようにします。
5. 研究の限界も一緒に書きます
どんな研究にも限界があります。都合のいい部分だけを紹介することはしません。次のような点が当てはまる場合は、記事中に明記します。
- 参加者が数十人程度と少ない
- 対象が限られている(若い男性だけ、特定の国の人だけ、など)
- 動物実験であり、人間で同じ結果になるかは確かめられていない
- 追跡した期間が短い
- 結果に影響しうる他の要因が十分に考慮されていない
- 研究資金の出どころに利害関係がある
6. 数字は誇張せずに扱います
「リスクが1.5倍」という表現は、実際よりも大きな印象を与えることがあります。
もともと1,000人に2人しか起きないことが1.5倍になっても、1,000人に3人です。当サイトでは、こうした「何倍」という数字(相対リスク)だけでなく、実際に何人あたり何人なのか(絶対リスク)も、可能な限り併記します。
論文に書かれていない数値を、推測で補うことはしません。わかっていないことは「わかっていない」と書きます。
7. 記事は5つの工程を通してから公開します
1本の記事は、次の順に進みます。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 調査 | PubMedや診療ガイドラインから一次情報を集め、研究デザインと限界まで記録する |
| 構成 | 読者が何を知りたいかを整理し、記事の骨組みを作る |
| 執筆 | 専門用語を言い換えながら本文を書く |
| 検証 | 医学的な正確さ、引用の正しさ、誤解を招く表現がないかを確認する |
| 公開 | 表記を整え、関連記事へのリンクを設置して公開する |
検証の工程で問題が見つかった記事は、公開せず執筆の工程に戻します。
8. 当サイトが書かないこと
- 個別の診断・治療の指示(「〇〇を飲めば治ります」といった記述)
- 効果の断定・保証(「必ず」「絶対に」「〜だけで」といった表現)
- 不安を煽る表現
- 特定の商品・サービスの推奨
- 標準的な治療の否定、受診を控えるよう促す記述
健康上のリスクを扱う記事には、医療機関の受診を勧める一文を必ず入れています。
9. 更新と訂正について
医学の知見は変わります。当サイトでは次のように対応します。
- 各記事に公開日と最終更新日の両方を表示しています
- 新しい研究やガイドラインの改訂を確認したら、記事を更新します
- 誤りが見つかった場合は、こっそり書き換えるのではなく、訂正した旨を記事内に明記します
- 誤りのご指摘はお問い合わせからお寄せください。確認のうえ対応いたします
10. 利益相反について
運営者情報に記載のとおりです。記事の内容が広告主や特定の企業の意向に左右されることはありません。
当サイトの情報のご利用にあたっては、免責事項もあわせてご確認ください。
